今日はまた寒くなったパリだが、ドタバタと帰国の用意で忙しく、tvもネットもちゃんと追っていない。
簡単に書く。
ソースはいつものごとくガーディアン:Bahrain in crisis and Middle East protests – live blog
それとBBC:Egypt's new era
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バハレーンでは、パール・スクエアのロータリーに設置されたテント村を撤廃する目的で、早朝に予告なく警察隊が弾圧行動をかけた。抗議派の数字では4000人の人々(家族連れ、女性を含む)がいた。多くの人々は寝ていたらしい。警察隊(政府の発表では一部は軍所属)の使用した武器がなんなのかはよく分かってない。負傷者と死者を写したヴィデオを見ると催涙ガス以外も使われたと想像される。今日の死者は政府発表で5人。その後マナーマでは装甲車がパトロールしている。なおバハレーンF1は中止の見込み。
イエメン:抗議運動7日目のイエメンでは、反政府抗議派と保安部隊の激しい衝突があった。サアナのプレス連盟によると、首都サアナでは約6000の反政府抗議団が市中心部を行進しているところを、警棒とダガー短刀を持った警察と政府サポーターが攻撃これに抗議派も応酬した。12人ほどの抗議派と何人かの警官が負傷し、政府発表では50人ほどの抗議派が逮捕されたた。(猫:TVでみた映像では、大振りの刀、ダガー、さらには短銃も使われたようだ。対する抗議派は台所の包丁で武装という話も聞いた。)
なお、抗議は首都ばかりでなくアデンなど他の街にも広がっている模様。(猫:ニザンのアデン・アラビアはここのアデンのことだったんだろうか。読んだの中学の時だからなあ、あのころは中東地勢なんてリアルには想像できなかったし。)
リビア:今日“怒りの日”抗議集会に、カダフィ支持団が攻撃、各地で合計14名の死者が出た模様。また抗議に参加した活動家と作家の14人が拘束されたとの報告がある。
イラン:議会で呼びかけられたムサヴィとカルビ、そしてハタミへの絞首刑要求リストにAyatollah Akbar Hashemi Rafsanjani/ハーシェミー・ラフサンジャーニー(元大統領)が加えられた。ムサヴィ氏は20日日曜の抗議運動を呼びかけている。
エジプト:フランス語でのtractation、つまりかけ引きが政治と社会のさまざまな場所で行われている印象を持った。スーツにネクタイの銀行員たちが、銀行上部幹部退陣を要望し銀行前で集会を開いていたり(TV)、ガーディアンによるとムバラク政府の大臣が3人逮捕されている。人権グループが、死者・行方不明者、および拷問についてのファイルを作成中。
今日のエジプト状況は次のAP記事がうまく要約している:Security remains shaky in Egypt after revolt ←9枚の写真も添えられていて、拡大するとたとえばタハリール広場にスタンドがあって、エジプトでの抗議派犠牲者とともに全中近東での死者の写真を掲示してのが見える。(なお、エジプト蜂起での死者総数は約400名と見られている)
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なおチュニジアを逃れサウジにいるベン・アリ元大統領(確か74歳)は2日前から脳梗塞発作のため緊急入院、現在はコーマ状態。医師によると容態はいたって絶望的。細君のレイラはリビアにいるとみられる。エジプトのムバラク元大統領もコーマ状態が続いている模様。これでは、新政府によって行われるだろう裁判には出頭できまい。
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ポール・ジョリオンのブログで、エジプトに関する長いが興味深い記事がアップされてた。筆者はサンタモニカの若い研究者Paul Amar、ブログ読者の女性が仏訳している。全文日本語訳したいとこだけど時間なし。
Pouquoi les progressistes egyptiens marquent des poins
英語原文:Why Egypt's Progressives Win
冒頭部:2月3日にオマール・スリマン情報局局長は、エジプト蜂起はハマスとアルカイダとCNNによる陰謀だとインタヴューで語っている。筆者はスリマンをアニメ“シンプソンズ”のC. Montgomery Burns と比較してたり(右参照:確かに似てるわな)。
また、彼によるとムスリム同胞団のヘッドたちは、実は“ビジネスマン”としてムバラク政権下でそれなりの財をなしていた。蜂起が始まってもそれら同胞ビジネスマンたちは、自分たちのビジネスを保守したいばかりに蜂起に関わることを拒否していた。けれど地域社会活動、つまりモスク近くの貧困家庭のための学校・医療センター・法律相談etc.に直接参加している(青年・女性・教職員・大学講師・医師・看護婦・弁護士たち)、つまり幹部以外のもっと若い同胞団の実際の地域アクターたちは、幹部の反応がないことに苛立ち、次々と抗議行動に参加し始める。。。
この記事では特にスリマンとムスリム同胞団のかけ引き、それからムバラク陣営内での軍部と息子ガメルの対立、また実質的エジプト経済を支える女性たちや個人企業について、4月6日運動での女性労働者の立場、性的暴力がいかに戦略として用いられているか、エルバラダイを運動全体のどこに位置づけることができるかなどについても書かかれています。
もっと紹介したいけど、無念。時間ない。
ムバラクが辞任しない宣言の翌日の金曜日、タハリール広場や大統領官邸に大幅待機していた軍隊の、装甲車も兵士も、実は実弾を支給されていなかったそうです。ムバラク政府は、兵士たちが抗議派に合流するのを恐れていたのだった。←詳しくは原文参照のこと。
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特に米国メディアが持ち上げてるWael Ghonim についてちょっと。
ワエル・ゴニムはカイロ大学でコンピュータ・プログラミング、カイロ・アメリカンユニバーシティでMBAを取りグーグルのアラブ首長国連邦のアブダビに勤務していた。30歳で奥さんは米国人。子供がふたり。
前々から、かれはfacebook の自分のカウントと、仲間と共同で作ったWe are all Khaled Said(オリジナルは英語じゃない)の管理にあたり抗議集会のアレンジメントもアブダビからやっていた。
カイロでの蜂起が始まると、ワエルはすぐさまカイロに戻るが、着いて2日目に友人たちと抗議に出かける路上で3人の私服警官に拘束される。12日間にわたる拘束の移動時は目隠しをされ、自分はどこにいるのかまったく分からなかったそうだ。警官に捕まるワエルをケイタイで撮ったヴィデオがネットで流通している。
おとといだったかのCNNインタヴューで、ワエル・ゴニムは政治には興味はあっても、仕事や自分の家庭やほかにやることが多すぎる。抗議運動のサポートは続けても、政治に直接関わるつもりはないと言っていた。。。まあ、グーグルも絡んでるし、フォトジェニックなハリウッド風味スーパー・ヒーロー役(ショーン・ペンに似てるし)をやってる。てか話題取りになりえる、つまり影響力が現在ある人物なのはたしか。(付け加えれば、エジプト風味のトップは:ダリダ)
ところで、オバマがノーベル平和賞をとったのは、彼が暗殺の対象になることを危惧した評議会の判断からだった、という説がある。2011年の受賞者はアサンジという声もあるが、その理由は同様に、ウィキリークスのアサンジへの米国からの法的弾劾を避けるためだそうだ。確かに、経済学者のクルグマンのノーベル受賞は、アタクシ的には彼の経済理論(自由貿易論)よりも、NYTでの反ブッシュコラムが買われたんだろうと、今でも思っている。
米国は、その鉄の手のパワーを失いつつある。幸いオバマは、彼の表現力・弁論術を目一杯使って、うまく局面を切り抜けているが、彼を取り巻く軍産・オイルビジネス・金融等々のロビーはこれからどんな手を使ってオバマや同盟国へのプレシャーを行使するのだろうか。。。
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最後に脱力系な話題です:もう8ヵ月以上にわたって内閣が機能していないベルギーで、ベルギー分割に反対する市民運動が展開されています。そして彼ら統一ベルギー市民運動を“フライド・ポテト革命”と誰かが命名した。確かに、使う言語が何であれ、確かにベルギー国民のすべてがフライド・ポテト+マヨネーズが好き(アタクシも)。日本で革命があったら、それは“納豆革命”だろうか、それとも、、、難しいなあ、、たくあん革命とかボタモチ革命とかわらび餅革命とか、、、すし革命?まあ、日本に革命は起こらんだろうなあ。。。。ゲイシャ革命じゃもっと恥ずかしいし;と猫屋の夜は今夜もしょうもなく明けるのだった。ナルト革命;ダメ?ニンテンド革命。。。。
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