ほぼ一ヵ月にわたる母国滞在は5年ぶりだ。そのせいで一週間滞在では見えない部分が見えてるのだろうか。あるいはこの2・3年に我が母国がドット変わってしまったのだろうか。いや、単に猫屋の老化・痴呆という可能性もあるわけだ。
この国が理解できない。どうしてだろう。
品川や大宮のJR駅自体がショッピング・モールになっている。改札を出ないで本屋やブティックやレストランで金が使える。駅構内でホームにつながる階段(今はエスカレーターがメジャー、ない駅は金を抱えている年寄りが敬遠する)がなかなか見つからない。旧国鉄民営化は“成功”だったわけだ。
パート・バイトが総労働者数の何割を占めるのだろうか。日本の生産業は悲鳴を上げている。だがサービス業はパート・バイトのファイトでやってる気がする。(いや、なにこれも何も35度のオーヴァー・ヒート猫屋脳の考えてることだから、自分でも信じきれない。)時給1000円は高給である。
年金生活の老父はシルバー料金=1000円を活用して孫を連れ映画を見に行った。“亡国のイージス”というやつだ。NHKしか見ないかなり右の親父が「面白かったけど、あんなに愛国一筋で、今の若い人はあんな考えなんだろうか。危ないんじゃないか。」と言っていた。変なこといってるなーと思って、甥にどうだったと聞いて見たところ、「エアホースワンとダイハード2とスピード2を足したようなアメ映画のリメイクっぽい。でもナショナリストすぎるのが臭かった」と言っていた。
某大手広告会社勤務同世代男と話していたら、石原慎太郎フリークらしい。ふーん。読んでる新聞産経。ふーん。
結局、おれなんか言ってみたらWW2の日本敗戦を信じなかったブラジル移民とおんなじようなもんなのかも知れない、という気になってきた。
フランスで仕事がないんで逆移民しようかという気で、市場調査の意味もある帰省なわけだったが、自分の場所が見つからない。どこまで行っても放浪の民か、俺は。
本屋に行っても、スーパーに行っても、100円ショップに行っても物がありすぎて逆に何も買わずに帰ってくる。
こんなに金の流通量の多い国で、それでも景気は悪いのだそうだ。いやよくなりつつあるという説もある。消費地獄だ、やはり。
ル・ノートルでメロンパン売ってた。マンゴパンの隣で。