なんだかこのごろアメリカ合衆国がヘンである。というか、だいぶ疲弊しているように大西洋の反対側からは見える。
一時ウォールストリート暴落を懸念して株が売られたが、今のところ大きな動きはないし、対ユーロのドルも順調に下がってはいるが暴落には至っていない。とはいってもユーロ導入の際(1999年)には1ドル=1.3ユーロぐらいだったはずで、それを考えると現在の1ドル=0.78ユーロは雲泥の差。ドルは6年で約40パーセントもの価値を失っている。これが望まれたものであるのか、神様が決めたのかは別として、ユーロ圏から米国への輸出が打撃を受けたのは事実であるな。
もちろん、下がり続けるドルにペッグする人民元も下がっており、結果トルコやモロッコ、あるいはバングラデッシュからヨーロッパに入ってきていた衣類・雑貨製品も今は中国産が占めつつある。こちらでの中国ブームも、対日デモ報道のあたりから中国脅威説に変わり、それが今のEU憲法批准拒否組の欧州産業空洞説までいっきに繋がった。
メディアも金魚のフン的世論も忘れたかったイラクがひどいことになっている--6日の死者、推定56名。
なんだかんだ言いながらも選挙戦でブレアはイラクに関する嘘についてかなり叩かれた。アメリカにとってもイラク戦争はツマヅキの石だろう。ツマヅク原因はそれ以前に用意されていた。それも確かだが、ここまで危機管理を危機増大にもってくのも大変な努力だったと言うべきか。あの国は大きくなりすぎた。
その大きくなりすぎた国を小さくなりすぎた、あるいは小さな頭脳の政府、もしくは軍産オイル企業派遣組政府がガバメントし、それを支持するのは宗教団体/TVエバンジリストとか、だからね。もういっちょ戦争始めるエネルギーがあれば別だが、そうでもなければ現政権への支持率も下がる。ボロが出てくる。
アジアの胡散臭いナショナリズム勃興も、結局アメリカ様のコントロールがしだいに力を失っていく過程の避けられない事象であるかも知れぬ。アメリカは対中国・対台湾・対日本・対韓国・対北朝鮮etc. の個別外交はやってきた。しかし対アジアという外交一貫性は決して建設しなかった。将来脅威となりうる国々は互いに反発させ、消耗させるというのは米国の古典的外交である(いつか書いたが欧州連合結成に米国が賛同したのは、対ソ連のためであった)。
これは当ブログではない別の場所に以前書き込んだが、911を境に世界中が米国の動きを追った。過去も外交歴史も内政も、実際の国民生活実情も。同時にアメリカン・ドリームのダーク・サイドもカミング・アウトして、今でもアメリカに(勝手に)憧れてるのは旧共産圏か一部のブラックアフリカぐらいか。南米はもうとっくに目が覚めた。欧州は内部分裂としても、アラブ圏やイランもご覧の通り。
米議会は5日、違法滞在者へのID規制を強める法を採択した。関連ニューヨークタイムス・エディトリアル。
目が覚めたら、とんでもない二日酔いだったわけだ。
(それでも生きてるだけたいしたもんだが)
あまり誰も指摘しないけど、「スターウォーズ・エピソード2」は現代アメリカへの優れた批判だったと思います。
画像に対するコメントのみで失礼。
投稿情報: Hi-Low-Mix | 2005-05-08 02:15
Hi-Low-Mixさん今晩は、って日本はもう昼過ぎか。
エピソード2ってどんなだったか忘れてしまった。ちなみにこの画像選択はまったく意味無しです。すいません。
とんでも年寄りの私は、リアルタイムで見た(リタッチ無しの)三部作のショックが強すぎて、エピソード版は1も2も『ふーん』って印象しかなかったのですよ。3はこちらでは18日から公開、それにちなんで過去ものがいっせいにTVで放映されます。全部一気に見てブログ化しますので、よろしく。
『ロード・オブ・ザ・リング』はかなりアメリカ批判を意識してましたね。
投稿情報: nekoyanagi | 2005-05-08 03:24