タハリール広場がヒジョーに盛り上がってるぞ。Wael Ghonim (グーグル・カイロのマーケティング・ディレクターで抗議活動家)の釈放が、プロテストを再度活性化させた。
Al Jazeera English: Live Stream ← 今日は画像サイズも大きくなってる(画質は悪いままだが)。
ガーディアン・ライブアップデイト:Egypt protests - Tuesday 8 February ←タハリール広場の復活
タハリール広場に通じる大通りは大渋滞だが、これはプロ・デモ・サポーターが車を出して、プロ・ムバラク派が広場に近づくのを防ぐため、らしい。同時に、多くの人が歩いて広場に向かっている。
人々は現地時間午後一時ごろから広場に集まり始めたようだ。
これはプロ・デモ派に、カイロ大学の教授・学生を始めとした多くの人々も加わった模様。
多くの公務員が仕事後、抗議運動に参加(これが始めての参加という人も多い)。スエズ運河勤務公務員も抗議運動に参加したようだ。
多くの署名リストを集めた20人の弁護士が、ムバラク一派を国家財産を私有化した罪で告訴する意向を発表。
アルジャジーラは、こちらも盛り上がるアレクサンドリアでの抗議運動画像を流している。← ここにはカイロのような広いスペースがないので、大規模集会は展開しにくい(プロ・ムバ派、警察保安隊も集会を攻撃しやすい)。
タハリール広場への入り口には軍が駐屯してるが、荷物とIDカードチェックはプロ・デモ派自身がやってる。←結果、ジャーナリストたちも簡単に広場に入れた。
これは昨日書き忘れたけど、エジプト政府は公務員と退職者の年金を15%上げることも発表ている(軍の規模が大きいこの国では公務員数が多い)。でも、このニンジン作戦(=ムチとアメのアメ)も効果なしということだろう。
スリマン新エジプト副大統領とイスラエル政府との関係をコメントした米外交公電をウィキリークスが公開したことも影響したと思える(関連リークスリンクは今夜探してみる)。
スリマンは、政治犯を釈放すると発表。また政治改革と政権交代のためのロードマップ作成を約束。
今現在(GMT19;00、カイロは夜10時)、現地からの映像がないんで分からないが、プロ・デモクラシー抗議派はエジプト議会前に集まりつつあるという情報もある。
関係ないんだけど、ウィキリークスのアサンジュがスエーデンに強制送還されそうである:米国はスエーデンに彼の引渡しを依頼してるから、ことによったらスパイ容疑で死刑の可能性もあり(米副大統領バイデンは、アサンジュをテクノ・テロリストと公式に非難してる)。
なお今日のカイロ抗議集会には、Wael Ghonim も登場、スピーチしていたし、4月6日メンバー(2007年の大学抗議運動参加者、スリマンの反政府派との会合にも出席)も参加していた。
ホワイト・ハウススポークスマンは、エジプト新副大統領の抗議派への圧力行使を批判。
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GMT22:18
今日のエジプト反政府・プロデモクラシー抗議運動、少なくともカイロにおいてはこれまで最大の動員数を数えた模様。
グーグル・北アフリカ&中東の若いマーケティングディレクター Wael Ghonim (facebook account)が昨夜エジプトの民間放送局ドリームTVに出演。涙ながらに12日にわたる拘束のようすや、エジプト解放運動への熱意をかたり、これまでは街にではしなかった人々(公務員・教師・老人・貧乏人・サラリーマン・多くの女性たち・家族連れ・退位軍人・信仰者・身なりのいいアッパークラスetc.)も初めて参加した。
これはガーディアンから借りてきたTV映像(英語字幕つき)。(猫:エジプトだなあ。)
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エジプト議会前にも数千の抗議者が集まった模様。
ムバラク一族の所有する全財産は700億ドルを越えると見られている(ロンドンの邸宅・ニューヨークのアパート等)。
こっちのTVから:広場でout と書かれたレッド・カードを掲げたおっさんが言ってた「ムバラクはレッド・カードが出されたのに退場しない。レッド・カードを出したジャッジは我々、エジプト人だ。」 (猫:エジプト国旗が大小花盛りだが、サッカー用だったのも多いんだろうなあ。。。)
ガーディアンの若い記者は、広場の雰囲気はこれまでになく明るく、家族連れがピクニックしていたり、ボランティアで茶を配る人がいたり、戦車のキャタピラーの上で寝ている人々がいたり、それぞれプラカードやテントにさまざまなメッセージを書いていたり、とにかくデモンストレーションが始まった最初の頃同様、見ていて感動しないではいられない風景だったと書いている。
カイロ以外で抗議集会が行われたのは、Alexandrie, Ismaïlia, Assiout, El Mahalla El-Kubra など。
スエズ運河に勤務する6000人も運動に参加。
検閲に反対するジャーナリストも運動に参加。
エジプトテレコムの一部も10%賃上げとディレクター退陣を要求しストに入った。
先週攻撃を受けたHisham Mubarak law centre/人権リーグによると、1月25日以来保安警察隊が逮捕した人数はカイロだけで約一万人に上ると推定される。
イランの反政府勢力(エコロジストを含む)も、ソシアル・ネットワークやブログで抗議運動を準備中(2009年のイランの反政府運動は、エジプト市民に大きな影響を与えた)。
米国:ギャロップ調査によると82%の人々はエジプト抗議派を支持、あるいは強く支持。87%が中東親米国の動向に興味を持っている。NBCの Nightly News のこの一週間の視聴率は6年以来の新記録だった。他の大手TVメディアも高視聴率を記録。これがオバマ外交に与える影響はおおきいぞ。
アルジャジーラで、ワシントンの“中東専門家”は「エジプトの抗議運動派には政権移行間の空白を埋めるキャパシティがない」と言っていた(猫:エジプトの運命はエジプト人の決めることだろが、タコ)。
スリマン副大統領は「The protests must end soon」と今日8日語ったそうである。
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こちらは、NYTで見つけたコラムニスト、フリードマンの記事。ネオリベガンガンのフリードマンだが、カイロの解放運動に感動しきっていい記事かいてる:Speakers’ Corner on the Nile
30年間の独裁政権で、何も言えなかった(さもなければ牢獄と拷問と家族へのハラスメントだ)人々がタハリール広場にやって来て、それぞれ言いたいことを言う自由について書いている。一人のおっさんが広場の真ん中で“I feel free, I feel free !”と飛び上がりながら叫び、それをたくさんの人が取り囲んでいる。
エジプトは日本と同じで、ファラオンの昔から父権性というか、ピラミッド型社会の頂点から降りてくるオーダーに従う7000年からの歴史を持っている。だから、いくら独裁政権が続いても、トップが民衆を押さえ込んでいる間は、エジプトは安定した国で居続けるだろうと“国際社会”は信じ込んでいた。ところが、“チェンジ”は思わぬ所からやって来た。それはチュニジアからエジプトに場を移した。始めにガソリンや食品価格上昇があり、学歴があっても就職できない青年たちが乾いたわらに火をつけた。その小さな火は、fecebook とtwitter とネットに乗って、始めは若いユーザーたちがリアルに集会やデモで出会い討論することを始め、やがて一般市民を巻き込み、チュニジアのベン・アリ政権を倒し、今はエジプトのムバラク政権を壁際まで追い詰めている。
今日のフランスでは、どこのメディアもエジプト報道は最小限にとどめている。現地にいた記者団がもう引き上げたせいかもしれないが、フランスでは機動隊(CRS)のあと学校職員がスト、今度は裁判官・弁護士・書記官まで全国的ストに入っている。仏外相アイヨ・マリが年末休暇にチュニジアに行きベン・アリ一族のプライベート・ジェットを使ったこと、おまけに首相フィヨンはとなりのエジプトに招待されてただヴァカンスを過ごしていたことがすっぱ抜かれた(カナール・アンシェネ)こともあり、メディアに上からのプレッシャーがあったとしても何の不思議もない。
報道の自由、発言・集会・結社の自由、司法の独立、平等、そして法国家:これが“民主主義”のコンセプトである。政治腐敗、特定階級による富の占有を否定し、教育の私有化を否定し、誰もが法の前では平等であり、働く権利があること要求し、誰もが自由な人間として扱われる社会を望んで何が悪いのだ。チュニジアに始まり、エジプトで燃えている希望が、ここフランスに飛び火してもなんら不思議はない。
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最後は、これもガーディアン経由のシリア・アメリカンの ラッパーOmar Offendum のクリップ:エジプト・プロテスターたちの映像が使ってある。"I heard them say the revolution won't be televised Al-Jazeera proved them wrong, Twitter has them paralysed"
上のクリップの画像ベースになったアルジャジーラ(25分弱)ヴィデオも貼っておきます:Egypt Burning;The story of five days in January when the people of Egypt broke through a barrier of fear and rose in revolt.
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しかし、一行速報のはずが、、、やたら長くなってしまったのだった:スマソ。
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