ジョン-マリ・コロンバニ、ル・モンド社長による長いエディトリアルです。今回は貼るだけ。猫屋はちょっと寝ます。ぐうぐう。
タイトルは、チェンジ
*
昼寝というか、夕寝をして、カレーライス作って食べました。これから風呂入ってまた寝るわけですが、料理しながらラジオ聞いてたらサルコジとセシリアと子供のルイは何人かのお供を従えて、小型ジェットでマルタ島に2・3日のヴァカンスに出たと伝えていたわけであります。ゲ。
選挙前のインタヴューでは、何日か修道院にでもこもって心を落ち着けたいといってたんですけど、プライベートジェット(ダソーだろー)でマルタ島。
パリは大騒ぎ、つまりUMP UDF PS はそれぞれ内閣つくり、新党つくり、内部抗争(あるいは党つぶし)と六月にある総選挙のことで右往左往してるし、若いのがあっちこっちでデモって壊し屋は火炎瓶だし、一般市民も、道端で出会うほかの市民の顔をうかがいながら、NS かしらSRかしらと、なにやらいつもの5月の脳タリンぶりが見受けられない。でもってアフガニスタンではタリバンの人質が一人いたりでなんだか大変だし。
UMPは選挙後すぐ、七月から八月に(えっ、議会1ヶ月休みなんですけど)公約だったスト権、労働契約の書き換えを含む労働法・税法・税上限は収入の50パーセントに抑えるという税法・相続税の撤廃(そりゃ無理でがしょ)・学区域撤廃を含む教育法などなどの議会案を提出なんだそうで、なんとも。あいた口はふさがらない。
選出直後の演説は、ライターの腕をほめたくなるようなヤツだったけど、いかんせん、選ばれてから言うことと選挙戦のときの公約の差が激しすぎる。まあ、クリヨンテリスムといいますが、マーケッティングですけど、サルコジのやり方は、票が取れそうなところに行って(たとえばルペン派の多いニースで)地元人のまだ未開拓票人口に向かって受けそうなことを言う(たとえばフランスは大量虐殺をしたことのない国家だと、、、ヴィシーのことも何も“忘れて”言っちゃう)。それは政治家だったら誰でもやってる、というのは本当だけれどサルコジのはリミットがないでがす。
ユーロを下げるとまで言ってましたが、ではやってください(笑)ブッシュに頼み込むんでしょうねえ(でもブッシュのパワーは日に日に翳ってんですよ、ブッシュと同じで新聞読んでないのかよ)。虐待された女性の家ってのに行って、強姦されて逃げてきた東欧女性に会って同情したから、強姦され逃げてきた女性すべてに即滞在許可証を与えると発言した。そしたらアフリカの女性問題に関わってる婦人が怒ってたよ。。。たしかに、フランスに“不法滞在”しているアフリカ少女を向こうに返したら、あっちで割礼受けたり強制結婚させられたりする可能性は高いんだから、毎年何万という海外退去を(あらかじめ強制退去予定数を決め、って自動車売ってんじゃないんだよ)命じてるのはサルコですがなにか、の世界です。だったら強姦された男はどうよ、滞在許可出さないわけえ。セクシスト。
とまた怒りがふつふつと沸いてきまして眠れなくなりそうなのでやめますが、しかし八月に議会招聘したらフランスがフランスじゃなくなってしまいます。だいたいその時期にパリにいるのは猫屋と観光客だけだよ。いや、まて八月にフランス人を働かせたら革命が起こるよ。。。。って、あの火炎瓶は革命の兆しなのであろうか。
悪い冗談はともかく、第1回選挙に敗れてさっさと引退しちゃった人はいましたが(ジョスパン)、大統領に選ばれた翌日にヴァカンスに出かける仏大統領っていたのかなあ。いないと思うが、勝利の翌日地中海でヨット・クルージングって、アレ?ジダンとかバルテーズがやってた。あ、あれだ。いくらケネディのまねしてみても、結局バルテーズにしか比べてもらえないかわいそうな人です。。。だって親しい友人が、ジョン・レノ、ジョニー・アリデー、クリスティアン・クラビエにドックジネコなんだもんしょうがない。
政治界では本当の友人はできない。おまけに、UMP純粋種って何人か会ったことあるけどノルマルシュップにENAとかがほとんど。ショヨンスポ(国立政治院)だけど英語の点数が足りなくてディプロム取ってないサルコジはかなりの異色。男性でも女性でもみんな毛並みがいいからブロンド背が高いってのが定番ですUMP。そこいくと話し方もオマワリサンと同じで誰にでもTu で話しかけるサルコジって、、、ちょっとあの新潟の田中さんみたいなのかなあ。利権に強そう。
ハンガリーの小貴族の出でである父親は3歳のときに家族を捨てて出て行っちゃったんだけど、ロシア系の弁護士の母親はかなりの金持ち。大学当時はアルバイトして学費を稼いだというのは単なる伝説。中学高校はカトリック校でしょ。17区で生まれてヌイイで育ったら、これはたたき上げの移民ではないですね。(アルジョントイユからオーベルビリエとかが叩き上げ、かな)
と、これだけサルコジけなしたんで少しは、というか今日の分は気が晴れた。でもまだ五年あるんですねえ。ピュタン、アンコール、サンコン!ギニョルのシラクの言葉を思い出した。
しかし、公式の場で右手を胸に当ててポーズしないでほしい。ああ、恥ずかしい。アタクシはフランス人でもないし、投票もしてないけどやはり恥ずかしい。
追記:もうひとつのル・モンド記事です。今回の選挙はUMP公約政策にたいする国民投票とみなすので、極力法改正に持って生きたい意向を発表。ああ、ハンパーアクティブ。フィヨンのCEP、古くは2002年だったと思いますがジュペ法に反対する三週間のゼネラル・ストを思い出していただきたい。。。
寝てる場合じゃないですよ、猫屋さん。 昨日の夜の反サルコ、フランス中で730台の車が焼かれて、600人弱が一時留置されたそうですよ。 やっぱり、ストがガンガンになるのかなあ。 どうします? 猫家さん。 住みにくくなりそう、これから、、、。
投稿情報: k | 2007-05-07 19:36
寝てません。結局腹すきすぎで眠れずカレーライス作ってます(笑)
んー、おなかすいて考えられないっす。でもどうすべきだろうか、、、。サルコはこの夏に、司法・労働条件法・スト権・税法の改定案を議会にかけるそうですが、夏休みってのがなんとも、サルコ。議会はガラガラ、市民も学生もいない、新聞・雑誌が売れないからホボ星うらないしかない時期です。やったね大将、164センチだってねえ。
投稿情報: 猫屋 | 2007-05-07 21:07
カレーライス、おいしそう~。食べたいなぁ。。
サルコ、ユーロを下げると言ったのですか? やってもらいましょう! トルコを加盟させるのかしらん。(うそ)
しかし、8月に議会だなんて、どこの大統領になるおつもりなのでしょうね。 あ、あの英語力では無理か。(笑)
ブレアさんのフランス語の方がはるかにお上手。
しかし当選したら、フーケでプチパーティ、アレクサンドル三世橋のたもとでクラブ貸切、ジェットで(!)マルタ島バカンス。。 投票した人はどう思ってるのでしょうね。
投稿情報: ねむりぐま | 2007-05-08 10:17
あ、猫屋さん
関係ない質問で恐縮なのですが、以前からの素朴な疑問。
TF1とF2で、例えば大統領の共同インタビューの時とか、今回の選挙の際に、TF1のほうがメインになる(つまり同時放送の場合は重要人物がまずTF1の方に出る)のはどうしてですか?
日本の感覚から行くと、国営放送のほうがイニシャティブを取りそうな気がするのですが。。
投稿情報: ねむりぐま | 2007-05-08 10:39
おはようございます。
なんだか、パリマッチになっちゃいましたねえ、おフランス。品がねーよー。
んと、Tf1はブイグ(ほぼご親戚)のTVで、年寄りとか、、、なんというかつまりモロ庶民のTV、コマーシャルも長いんで、キャスターのプロUMP度もややFR2より高いと思うけど、決定点は視聴率の高さでしょう。あとサルコジは国営TVでの文化番組を増やすと(も)宣言してたようですが、ジャーナリストの間では、低視聴率の文化番組枠を増やして、ご親族TVの視聴率を上げるのが魂胆だろうと言ってるみたいです。ナントモ。
投稿情報: 猫屋 | 2007-05-08 11:16
サル発言聞いていると、安倍ちゃんに似通っている部分が多いです。これから仲良くするのでしょうか。ハンガリーの人はヨーロッパ人よりモンゴル系に近いという説がありますね。だから小柄だとか。(宇宙人説もあるし)日本の戸籍制度、移民、難民の扱いはル・ペンも見習いたいと言っていたほど厳しいですからこの点でも仲良しこよしか。小粒な集まりで。
イラク戦争が始まる時にフランス語新聞を読もうと、錆び付いたフランス語をも一度勉強しなおしてます。昔はこんなにフランスが面白いと思わなかったんですけど。ため息出そうですが、フランスウォッチやめられません。(見てるだけでずるいんです)
お邪魔しました。
投稿情報: みみみ | 2007-05-08 11:25
猫屋さん
いつも翻訳とレポート、ありがとうございます。コメント投稿はジネディン・ジダンの例の騒動以来かと思います。
エルサレム・ポストがAnalysis: Is France about to become Israel's ally? という記事(下記)を出していますが、猫屋さんの今日のエントリを拝読して、この人の場合は「修正主義」ですらないのかなあと暗澹たる気持ちになりました。
エルサレム・ポストの記事(英文):
http://symy.jp/?Df3_sarkojpost
# URLがものすごく長いので短縮しました。
「右手を胸に当ててポーズ」はさっそく英ガーディアンのカートゥーニスト、Steve Bellがネタにしています。
http://www.guardian.co.uk/cartoons/stevebell/0,,2074694,00.html
投稿情報: nofrills | 2007-05-08 17:04
猫屋様。
お久しぶりです。青柳です。(以前ボードリアールで書き込みしました。)
今回のフランスの選挙は日本からですが応援してました。
もちろんロワイヤルに、、、、、。しかし結果は残念ながら、、。
アメリカも日本もフランスも、なんだか不思議な方向へと舵をとりつつあるような気がします。
個人の意志はともかくとして、全体の意志と言いますか流れは、こういった結果を求めているのでしょうか?
衆愚政治という言葉が頭をよぎります。
非常に残念です。
自民党が勝利し続ける日本も、実際それに代われるだけの政治理念もなにもない他の政党も。
日本に住んでいますと、選挙ではこの国は何も変える事は出来ないという無力感と不信感だけが大きくなっていきます。
でも解りませんね、、、。
これらの結果が歴史的にはもしかしたら、良い方向へと向かうなんらかのきっかけとなるのかもしれないのですから、と、気分を切り替えて、しばらくは猿誇示と安倍の政治手腕を拝見です。
数々の翻訳、本当に有り難うございます。
とても良い刺激となっています。
これからも頑張ってください。
それでは。
投稿情報: aoyagi | 2007-05-08 17:07
TV情報ありがとうございました。
TF1は、ほぼ親戚ですか。。
視聴率は高いのですね。なるほど。
これからF2見ようっと。(笑)
しかしフランスでも文化番組の視聴率が低いというのは悲しいことです。。
投稿情報: ねむりぐま | 2007-05-08 17:58
昨夜のバスチーユは,500人ほどが、集まったとか、、、。どうりで、一晩中ピポピポなってました。 アンチサルコのおかげで、今日も北駅には、凄いポリスの数。 夜になると、バスチーユにも、、。そのうち、大変なことにならなきゃいいけど。 ね。
投稿情報: k | 2007-05-08 18:48
お久しぶりです。今日リールの街を歩いていたら、
UMP(Un Mini Président)と壁に落書きがあり思わず笑いました。
しかし嘆かわしいですね。
投稿情報: Kiyonobumie | 2007-05-08 22:22
みみみ氏、
そう、怖いほど似てます。グロバリゼーション オブリージュって感じですが、よく考えてみればソニー・コカコーラ・マクド・トヨタ・ピューマあとなんだ、ま、マルティナショナルは企業界だけではない、メディア界でマードックが世界に広がるように、オレンジ革命が世界で広がるように、ヨキモアシキモ、右へならいの21世紀なんだと思う。悲しいけど、今のフランス状況はそういったクリバージュ/領海線がよく見えます。反イラク戦運動が(ちょっとだけですが)この国から始まったように、新型レジスタンスがここから(細々でも)始まってくれるといいんですけど、世界多発抵抗運動とかサ。ここはフーコー・ドゥルーズの国だもん。仏語かんばっつてね。
noflils氏、
なーんか時間がたつのが早すぎます。んで変わるのも早すぎて、古典とかいくら読んでも適応できないし、だいたい目の前で起こる事態を見てるだけで一生終わっちゃいそうです。困ったもんだ。しかし、どうなるんだか。しかし、誰にもわかんないんだからこそ、ちゃんと見きわけるべきだし、ちゃんと古典(過去)も読み込まなきゃ、、、と思いつつ、すかすまじめすぎはアカンなーなど、大変であります。パレスティナ・チェチェン・アフリカ全般・南アメリカ、、、ウワーン。
青柳氏、おひさであります。
一昨年の夏に日本で眼にした風景がここで繰り返されるとは思ってもみませんでした。低通器です。ゴア敗選以来全部マケ。
けれど、生まれて以来の性質はどうもならんので、金も入らんけど、ま、ずっとこのラインで行ってみるよりしゃあないっす。またお寄りください。
ねむりぐま氏、
文化は、いつのまにか、エンターテイメントの一部になっちゃった。悲しいことです。あとは江戸文化みたいなド派手に行くのかもですよ、案外。
K氏、
まだ続いてますか。一部司法界が怒っていますね。ただでさえ裁判沙汰が多くなって、フランスの刑務所は人員超過りつがムチャ高いし、環境最悪。。。バスティーユでさえこうなんだから、熱い郊外はもっと大変だろうに。ここまではロワイヤルがある部分の若者層の希望だったわけです。サルコジがアソシアションとかの活動を規制したりしたらすぐ火がつく。マッチポンプのサルコですから、危ないことに手を出しては境界線をより遠くに押しやる。今回のはでな選挙後のショーもマルタのバカンスも、これでもかと国民をバカにしたデモンストレーションです。セシリアはそのうち「パンが食べられないなら、ケーキをお食べ」とか言い出しそうだよね。まじ腹たつ。
Kyonobumie 氏、
お久しぶりです。子育てと論文書きで忙しいんだろうなあ、、と思っておりました。嘆かわしいです。フランスにスランスのルールがなくなってしまうことはないにしろ、この5年間にある意味で“犠牲”になりかねない若い世代のことを考えたりします。そちらはさすが、オーブリ氏の地元だ。ボルドーやパリの一部もそうですが、日々の暮らしレベルでの政治ってのがちゃんと生きてないとダメとか思う。これからどうなるんでしょうかねえ。ところで、時々お姫様の写真だけでもアップしてください。一ファンより。
投稿情報: 猫屋 | 2007-05-08 22:43
ありとあらゆるタブーを逆手に取った勝利でしたね。。。高い投票率も、かえってサルコジの支持者の多さを見せ付ける結果になっちゃって。。バンリューの移民の若者は、今のところ挑発に乗らないよう我慢して、それほど暴れていないようだけど、選挙日の夜、自分の選挙権カード(正式な名称が分らないんですけど)を燃やしたって記事読んで、凄くせつなくなりました。今まで選挙を馬鹿にしていた若者が、今回はこそと、希望に燃えてエレクトラに登録したのに結果は敗北。燃えやすいと同時に傷つきやすい若者だけに、これですべて諦めて投げ出したりしないか心配です。。。
中心部の白人の若者達はとりあえず未だ元気なよう(さすがフランス人の子。。。)で、うちの近くにUMPの支部があって、燃やされております。。。日曜以来毎日マニフがあっているので、しばらく夜は外歩けそうもありませんが。。。
ところで、デイリーモーションにあるマニフ ドゥ ドロワットって見ました?笑えないんだけど、笑えます。
投稿情報: Amina | 2007-05-09 00:17
んたく、なんだあのボーイ&ガールスカウト。みっともない。
今日はまだデイリー参りはしてないんですが、見てみます。
投稿情報: 猫屋 | 2007-05-09 01:16