というわけで、昨夜ミッション・アンポッシブルのごとく簡単に消え去ったXファイル、木曜ル・モンド書籍別冊から拾った“植民地”関連書リスト・アップの再現を試みます。なお、前日エントリーと同様、本タイトル日本語版はかなりな意訳なり。
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Memoires d'empire. La controverse autour du "fait colonial" 帝国の記憶、“植民事実”をめぐる論争 Romain Bertrand. 18,50 €. 下はル・モンド関連記事 《植民地、記憶の戦場》
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The Cambridge Companion to Postcolonial Literary Studies
監修 Neil Lazarus フランスで購入すると 23,38 euros
ケンブリッジの本がル・モンドで紹介される時代になったわけだ。あのカルチュラル・スタディですね。
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Atlas des esclavages : Traites, sociétés coloniales, abolitions de l'Antiquité à nos jours 奴隷制のアトラス:古代から現在までの通商、植民地社会、廃止。Marcel Dorigny, Bernard Gainot, Fabrice Le Goff (Cartographer) : 15,00 euros
奴隷制のアトラスです、凄い。79ぺージ。
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Culture post-coloniale 1961-2006 : Traces et mémoires coloniales en France ポスト・コロニアルカルチャー、1961-2006 : 19,00 euros
以前ル・モンドウェブでの読者とのチャットを訳した(井上ひさしに似てる)パスカル・ブロンシャール先生が共同監修しています。同シリーズには《植民地カルチャー》、《帝国カルチャー》があるそうで、面白そうだ。参考:《植民地の歴史はどう書くべき?》
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L'immigration ou les paradoxes de l'altérité : Les enfants illégitimes (文庫)
Abdelmalek Sayad :EUR 12,00
植民地に生まれた両親を持ち、フランスで生まれ育った二世の引き裂かれた状況を調査する社会学者サイアッドは、ブルデューに近い人。
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Nos mères, paroles blessées : Une autre histoire de harkis 母親たち、傷ついた言葉:もう一つのハルキの歴史 Fatima Besnaci-Lancou : EUR 17,00
ハルキ(あるいはアルキ)とは、アルジェリア独立戦争の際、フランス側について戦ったアルジェリア人(当時は仏国籍)。独立時に多くが虐殺されたが一部が本土の収容所で苦しい生活を強いられた。
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Leïla : Avoir dix-sept ans dans un camp de harkis レイラ:ハルキ・キャンプで17歳であること Dalila Kerchouche
: EUR 16,00
著者の父親はハルキだったそうです。
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Histoire de la décolonisation au XXe siècle 20世紀の非植民地化の歴史
Bernard Droz : EUR 23,00
20世紀ジオポリ状況上の大きな変化である植民地の消滅を細部にわたり検討した本。
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La tyrannie de la pénitence : Essai sur la masochisme occidental 罪の圧制:西欧マゾヒズムに関するエッセイ Pascal Bruckner : EUR 16,90
あのヌーヴェル・フィロゾフ衆の一人であるブリュックネールが、過去・罪・恥ばかりのヨーロッパは哀しすぎる、後悔の正しい使い方だってあるはずだ、と書いた本だそうです。
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Camus, si tu savais... suivi de Les Pieds-Noirs カミユー、もし君が知っていたら..ピエ・ノワールのその後 Daniel Leconte : EUR 20,00
アルジェリアのオランに生まれ、フランスに“戻らざる”を得なかったピエ・ノワール(北アフリカでの植民者)が語る共存の可能性。1980年に出版された本の再版です。
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